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青い海と空のみちのく八戸から・波動はるかに 第10回80―80(エイティ-エイティ)
私の青春期の社会意識は戦争が強いた貧困、被差別に対する抗う気持ちの芽生えに始まった気がする。それはまだ素朴で稚拙な反戦意識であった。そもそも戦争は利をめぐる争いであるとともに、それを正当化するために敵を蔑視差別化し排除の意識を煽ることを必要とする。正義の戦争はありえない。明治以降の戦争と朝鮮・中国への蔑視政策はナチスの優生思想と深くつながっている。トランプのアメリカファースト、西欧の右翼勢力の台頭にも本格的戦争の世論がつくられがちな有色人種蔑視がみられ警戒を強めずにはいられない。ウクライナ・ガザの惨状はその流れの始まりかもしれない。
私は別のところで「優しき連帯」*という文章を書いたことがあるが、現今の状況は差別・分断・排除の雰囲気が強力である。私はマハトマ・ガンジー、ネルソン・マンデラを政治指導者として最も尊敬するが彼らを生き返らせ「優しき連帯」を軸にした政策遂行を望む。80-80を迎えて強く願う。
*「優しき連帯」;「ハルくんの虹 / カメルーンと日本 愛と希望のリレイ」作・上斗米正子/画・佐藤泰生/2022年遊行社刊
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上斗米治史 (ペンネーム;小出治史)
静岡市浜松天竜区出身。静岡市、横浜市でポーラ化粧品研究所員、七宝制作、保険代理店経営。日本パントマイム研究所研修生時、大野一雄、土方巽に傾倒。佐々木満、辻征信と3人で舞踏カンパニー「黒馬団」活動ほか。写真家土田ヒロミ氏、七宝家土田善太郎氏、画家佐藤泰生氏と長年交友。川崎のシニア野球3チーム時代二刀流で活躍。2023年12月より青森県八戸市移住。八戸市でもシニア野球2チームに加入、始動。2024年春より多文化・多世代・多言語交流館「みらいえchez Kamitomai」ギャラリー館長。八戸市鴎盟大学入学48期生。著書;「六月の田園」2008年マンマル社刊。
(モルゲンWEB20250220)