• 十代の地図帳
  • 各界の著名人の十代の道程にその道に入る心構えやヒントを見る

海南 友子さん(ドキュメンタリー映画監督)

大学時代は多くの旅を

 大学時代はとにかく沢山旅しましたね。年半くらいをかけて主にアジアや南米の各地を一人で廻って。旅の目的は、その時々に自分が一番興味を持っていること。バックパッカーでロサンゼルス中のNGOを訪ねてみたり、インドで井戸を掘ることもあれば、NYの国連の会議に出てみたくなって、ボランティアに勤しむこともあったり。これらは一見なんの脈絡もない行動のようだけど、インドの井戸掘りのとき耳にした貧困問題を国連に訴えに行ったりと実は繋がっているんです。

 旅の途中で目にした貧富の差や理不尽は、「社会問題に深く切り込んでいきたい」というその後の私の生き方を決定づけたと言えます。あとは大学2年生のときに当時TVディレクターをしていた是枝裕和さん(現・映画監督)のドキュメンタリー番組に出演する機会があったんです。ブラジルの環境都市のリポートでしたが、社会問題を映像化したドキュメンタリーという手法に強く魅せられて。そこから具体的な将来の仕事を思い浮かべるようになっていったんです。

女性の一人旅にご両親は

 私を送り出すときいつも母は、「ああ、もうこれで二度と会えないかも」と、いつも心の中で思っていたそうです。今考えても凄く信用してもらっていたと思います。その代わり、旅に関しての綿密な計画書を提出していましたけどね。

大学卒業時のビジョンは

 卒業の時期が丁度バブルの崩壊直後だったんです。景気が一気に冷え込んだわけだから、当然、就職も厳しい――、そんな世間の焦燥を肌で感じながら、意外にも私は落ち着いていて。というのも、アジアか環境関連の仕事に携われるならば企業や組織の大小は気にしない、という確固たる信念があったからなんですね。この大学時代に定めたぶれない指標があったことで、一流企業志向ばかりに左右されずに会社を前向きにピックアップしていけたんです。結果としてNHKという大きな組織に属することにはなりましたが、当時は環境に関する活動をしている小さな会社なども受けていたんですよ。

関連記事一覧