「こころの病も心身一如の自然治癒力」―季節性うつ病から双極性障害を自ら体験して― 第12回 「こころの病の症例」

当庵のこころの病の症例

まず最初に『総医療費』節減に想う(前出)から引用します。

『私が上京の折り、社内の動画で内閣府の心の病に関するキャンペーンがしょっちゅう流れており、これが追い風となって更なる向精神薬内服者を促し、抗不安薬や睡眠薬処方を安易にし、依存症患者問題をきたしている。

 特に薬物依存にいたる例が多いことが知られているベンゾジアゼピン系薬剤の数ある中田辺三菱の商品名デパスは、神経症での不安・緊張抑うつ・神経衰弱症状・睡眠障害.心身症での身体症候の対処に加えて、整形外科領域の頚椎症・腰痛症・筋収縮性頭痛の適応があり、日常茶飯事のごとく多用され、自体験例でも退薬に難儀し、遂にギブアップしたことがある。

 去る三月二三日、第一二回名古屋警新の会「こんな薬はやめよう!」に取材参加してきた。特に印象的だったのは、佐藤俊夫たいようクリニック院長の「精神医学の立場からみた向精神薬の現状」と題した講演の中で、抗精神薬の離脱状況は、減薬や退薬、中止ができないような薬をつくった製薬会社の思うままで、中止を望む患者さんよりも、処方する精神科医がむしろ薬依存症である」と語られたことである。薬剤継続処方は、おおむね医師自身の不安を解消するためだと私は気づいていたが、このことが裏づけされた。』

『医師が心の病に無力なワケ』に興味を持ってこの本から何かをつかみたい方はご一読ください。(船瀬俊介、南孝次、大沢博、神津一共著 三五館)

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