
「こころの病も心身一如の自然治癒力」―季節性うつ病から双極性障害を自ら体験して― 第12回 「こころの病の症例」
当庵のこころの病例で、薬剤を減薬、退薬、中止へと到らなかった場合には、心身一如の治療で手伝っても、良好な結果が出ることは決してありません。オルゴン療法(オルゴンリングを使い身体の末梢などを摩擦刺激して血液やリンパの流れを良くする施術)を採用してからも同じでした。ところが最近続けて経験した対人専門職者でいわゆる「燃え尽き症候群」をきたした二〇代女性の二例は、薬剤から完全に開放されて社会復帰出来ました。
「燃えつき」に関して引用すると「それは医師、看護婦、教員とも経験年数が少ない方が燃えつき症状や精神症的症状が顕著に見られるという奇妙な事実のことである。燃えつき症候群というと長年困難な仕事に従事したために起きるもののように想像するであろう。実際、看護婦や教員の場合にはそういう結果も出ているのだが、一番意味深長な所見は、医師、看護婦、教員を問わず、勤務開始後五年から一〇年の比較的早い時期に多くのものがそのような症状を示している」(「燃えつき症候群」土居健郎監修 金剛出版)と注意喚起しています。
症例1は、先に当庵の患者さんとなった対人専門職の母親から紹介されました。小学生の頃からの首、肩こりに加えて、部活に由来する強い腰痛で、高校時代に六回治療軽快。初診から六年後に再来庵。母親と同じ対人専門職となり勤務したのだが、早々に対処困難例をかかえこみ、心因反応をきたした。来庵四ケ月前から休職、精神病院の抗精神薬を内服開始。母は抗精神薬が適量処方と信じていました。勤務してから三ケ月の超早期で問題行動児の対応に苦慮、上司のアドバイスをもらうのですが、それを的確に実行できず、ひどい挫折感を味わったのです。
当庵の養生筆は、「早起き」「身辺整理整頓」「竹炭練りパウダー飲用」「退薬達成計画表(六ケ月で中止を目標とする)を処方しました。 再初診から五回、心身一如のオルゴン療法を行い、五カ月後には半分社会復帰して経過するも気滞などなく、予定通り薬剤完全中止に成功。その後仕事もフルにこなせ、再初診からちょうど二年で幼さななじみと結婚、専業主婦として家庭生活に入っています。受けることもなかったのです。もちろん母原病(前出:母親の育児下手が子に病気や問題をひき起こすとする考え方)に向き合うことも……。
