
「こころの病も心身一如の自然治癒力」―季節性うつ病から双極性障害を自ら体験して― 第15回 「こころの病も反面教師だった私②」
「こころの病も反面教師だった私②」
現在多くの人が、恐れや不安を持って生きています。それは、このようなネガティブな考え方に縛られているからです。自分はいつか、過去にしたことの報いを受けるだろうと、頑なに信じてしまっているのでしょう。
そこから逃れるためには、意識を変えて、「因果律」から開放されることです。過去のできごとにとらわれず、未来に目を向けることです。
「因果律」に反するこうした捉え方を、因と果を逆にした「果因説」と言うのです。「果因説」は、過去→現在→未来ではなく、未来→現在→過去という流れになります。つまり、未来に起きる結果を先に作り出すことです。
それを実践した人がいます。それは、ロンドン五輪で、日本のボクシング界に四八年ぶりの金メダルをもたらした村田諒太氏です。著書「101%のプライド」(幻冬舎)の中で、彼は、未来日記形式の練習ノートをつけたと語っています。
たとえば、今日予定していることを「今日は何時に起きました」「ロードワークを何本しました」と列記してから、練習や試合に向います。こうして過去完了形で書いておくと、実際にそのとおりの実行が可能になるというのです。