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綿矢 りささん(小説家)
小説家・綿矢りささん──高校在学中に執筆した『インストール』で一大ムーブメントを巻き起こしデビューすると、大学在学時には『蹴りたい背中』で、史上最年少の芥川賞受賞者となった異才だ。その輝かしい受賞歴と、村上龍『限りなく透明に近いブルー』以来となるミリオンを生み出した原動力・核心を尋ねて十代の地図を開いた。
小さい頃から本がとてもお好きだったとか
別にとりたてて本の多い家庭だったとかそういうことではないんです。ただ幼い頃、両親はよく読み聞かせをしてくれて学習としての読書にとても力を入れていたんですね。お小遣いとは別に本を買う予算も取っていたりしていて。そんな環境だったので、小学校3年生の頃にはすっかり本が好きになり自分のお金で本を買うようになって。本の中に登場する人物や世界はどれも魅力的で、一心不乱に読みふけっていました。読書に夢中になるあまり、学校の休み時間も友達と遊ぶことはほとんどなくて担任の先生は孤立を心配したりもしていたけど、私にすれば、特に周りとトラブルも無かったし、ごく自然なことでしたね。
中学校では演劇部に所属されます
演劇部は、読書やアニメが好きな割と趣味の近い女の子たちが多い部活だったので居心地は良かったですね。「みんなで全国大会を狙おう!」みたいなモチベーションはないんだけど、いつも和気藹々としていて。その当時は『動物のお医者さん』というマンガに夢中で、「将来は獣医になりたいな……」なんて漠然と考えていましたね。今はもう動物もそんなに好きじゃないんですけどね(笑い)。