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綿矢 りささん(小説家)
卒業後の進路に悩むことはありましたか
あまりなかったと思います。執筆活動に熱中するうちにいつのまにか卒業を迎えていたというのが正直なところで(笑い)。でも、意外と接客業は好きなので、もし本を書けなくなったらやってみたいな──、なんて少し思っていました。アルバイトをして気づいたんですけど、人見知りな性格の割に、一期一会の出会いや関わりは結構好きみたいなんです。会社勤めみたいな固定された人間関係のほうが苦手かもしれないですね。
新作『ひらいて』は3人の高校生の青春群像劇ですね
今回の主人公はどちらかといえば私と似たタイプなんです。だから書いていて凄く楽しかったですね。直情的な主人公の暴走を描きながら、こうはならないようにしなくちゃ……、なんて想像したりして(笑い)。
沢山の賞を受賞されています。プレッシャーなどはありますか
賞を受賞することも光栄ですけど、例えば2011年に大江健三郎賞を受賞した『かわいそうだね?』では単純に大江健三郎さんに作品を読んでもらえたことが嬉しかったですね。受賞が激励のように思えて、そういうことがありがたいというか──。賞を通して大江さんの作品を改めて読む機会にもなりましたし、それもまた醍醐味ですよね。