
「わたしのマンスリー日記」第28回 ドクターからのファンレター
一介のALS患者のもとに担当ドクターからの「ファンレター」が届きました。普通ではあり得ぬ話です。でも確かに届いたのです! その中には私たち難病患者に生きる勇気と希望を与える素敵なメッセージが込められていました。
私は昔本誌に「地名番外地」という連載をしていたことがあります。13年にわたる長期連載でしたが、私がALS(筋萎縮性側索硬化症)という難病に罹患したことによって途絶えました。
ALS宣告を受けたのは2019年5月、それ以降今も体動かせるのは口の筋肉と眼球だけ。その絶望感の中、ALS闘病記3冊、地名本6冊を書き上げました。その頑張りは全国の多くの支援者の力によるものですが、逆に私の生き方から生きる勇気と希望をもらったという人も増えてきました。
三浦慶奈(けいな)先生は東京歯科大学千葉診療所にお勤めで、月1回私の嚥下の状態を診るためにお出でいただいている訪問医です。何かの折に昨年出した『ALS 苦しみの壁を超えて―利他の心で生かされ生かす』(明石書店)を差し上げたのですが、その時「東京歯科大なので、これもどうぞ」と言って『東京「地理・地名・地図」の謎』(じっぴコンパクト新書)を手渡したのです。