「わたしのマンスリー日記」第31回 加賀遠征―「史上最大の作戦」(The Longest Day) その2 苦しみの中で―再会の歓び

 ホテルに着いてから呼吸不全の苦しみが続きました。山口さんの投稿で「くるし デパス」と通訳者のメモを引用していますが、これは決して脱字ではありません。私が苦し紛れに「苦しい。デパスを入れてくれ」と言おうとしたのを通訳の原ゆうこさんがいち早く察して書いたメモなのです。「デパス」とは呼吸困難などで苦しい時に飲む薬のことです。その意味でこのメモはその時の状況を最もよく表していると言えます。

 そうした呼吸不全の状態は翌朝まで続きました。一歩間違えれば救急車で病院に搬送されかねない事態でした。そうなったら今回の加賀遠征の意義は水泡に帰してしまいます。それだけは何として防がなければならない。

 でもこんなことで負けてたまるか! ボク本来の負けじ魂がむらむらと沸き起こってきました。すでにウェルカムパーティーは始まっているはずです。会場に向かおうとしたまさにその時でした。目の前を元幹事長の三枝成彰さんが通りかかりました。三枝さんも車椅子でしたが、私を見て満面の笑みを向けてくれてくれました。それがすべてを物語っていました。11時間の長旅の疲れも吹き飛んでしまいました。

 パーティー会場でいち早く私を見かけてくれたのは作詞家の東海林良さん。エンジン01に入会する前から生涯の友を誓い合った仲。同じ昭和20年生まれで、「20年会」を主宰してくれた仲間です。

 次に満面の笑顔で迎えてくれたのが、テレビ等で大活躍の磯田道史さん。私が筑波大学の副学長をしていた当時茨城大学に在職されていたこともあって、互いに親近感を抱いていたのですが、2024年1月に千葉県市原市で開催されたオープンカレッジのBARエンジンで同席したことで一挙に親しくなりました。今や私の地名研究の最大の理解者と言っていいでしょう。

向って左 東海林良さん 右 和田秀樹さん  

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