「わたしのマンスリー日記」第31回 加賀遠征―「史上最大の作戦」(The Longest Day) その2 苦しみの中で―再会の歓び

 シェフとして著名な鎧塚俊彦さんとはその年の3.11チャリティーコンサートのバケツ募金としてご一緒したことで一挙に親しくなりました。実はその前日3月10日の夜医療事故があり、救急車でいつもお世話になっている千葉東病院に搬送されるというアクシデントに見舞われました。翌日東京のサントリーホールで行われるチャリティーコンサートに参加できる状態ではありませんでした。が、主治医の武田先生の許可をいただいて病院からサントリーホールに向かうことになりました。

 その際バケツ募金隊の皆さんに私の本を差し上げたのですが、鎧塚さんは『ALS 苦しみの壁を超えて─利他の心で生かされ生かす』を読んで感銘を受けたようでした。

向かって左 磯田道史さん 右 鎧塚俊彦さん

 3年前から幹事長を務められてきた和田秀樹さんも笑顔で迎えてくれました。私がALSの宣告を受けた時、精神科医師として熱いエールを送っていたのが和田さんでした。どんなに力になったことか。
 アートディレクターの淺葉克己さんはエンジン01には欠かせない存在で、淺葉さんがいないとオープンカレッジが始まりません。

淺葉克己さん

 最後に顔を見せてくれたのは写真家の眞下伸友さん。これまで地名講座で苦楽を分かち合ってきた同志です。

 素敵な仲間たちとの再会を果たして、11時間かけて580キロを走破してきた甲斐があったと素直に喜びました。しかし体調は最悪でした。一刻も早く部屋に行って横になりたいと思い。パーティーは30分そこそこで切り上げざるを得ませんでした。ウェルカムパーティーには地元の郷土料理が並んでいたはずですが、一口も口にできませんでした(笑)。

眞下伸友さん

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