「わたしのマンスリー日記」第32回 加賀遠征―「史上最大の作戦」(The Longest Day) その3

講座「難病 でも私は諦めないー生きる勇気の波紋」

 いよいよ本番の難病講座です。登壇者には里中満智子先生とさかもと未明さんです。今考えられる最強にして最高のコンビです。講座は私の用意したプレゼンの原稿をナビの岡田直也さんに読み上げてもらうところから始められましたが、先ずそのさわりから紹介することにしましょう。

 皆さん、こんにちは。ようこそ難病講座にご参加いただきありがとうございます。この講座にご参加いただいた背景にはさまざまな思惑があろうかと思います。身近に難病と闘っている人がいるという方もいるかもしれません。あるいは難病でなくても人生の苦悩と闘っている方もいるでしょう。
 そもそも難病そのものは文化ではないにしても、難病に負けずブロダクティブな価値を生む活動を続けることは立派な文化です。登壇者の中で明確に難病の宣告を受けているのは私とさかもと未明さんです。私は難病中の難病のALS(筋萎縮性側索硬化症)、未明さんは膠原病です。里中満智子先生は難病とは聞いていませんが、数年前から体調を崩されながらも日本のマンガ界の最強のリーダーとして活躍されています。そして何よりも私の最大の理解者であり支援者でもあるのです。
 正直苦しいです。辛いです。それでも前を向いて生きようとしています。私には包み隠すものなど何一つありません。全て話します。それを聞いて泣ける方がいたら一緒に泣きましょう。私の使命は一人でも多くの人々に「生きる勇気の波紋」を広げることだと考えています。
 私が伝えたいことは添付の資料①~③に詳しく書いてありますので、そちらを目で追っていただけたら幸いです。ALSプロフィールを時系列に沿って記しておきます。
〇2018年2月、突如体調を崩す。
〇2019年5月、ALSの宣告を受ける。それ以降体で動かせるのは口の筋肉と眼球のみ。加えて人工呼吸器を付けているために発声できない状態が続く。その絶望感の中、ALS闘病記を3冊、地名本を6冊を出版。
 ちなみに、闘病記の書名を記しておきます。
『ALSを生きる いつでも夢を追いかけていた』(東京書籍、2020年)
『夢はつながる できることは必ずある!-ALSに勝つ!』(東京書籍、2022年)
『ALS 苦しみの壁を超えて―利他の心で生かされ生かす』(明石書店、2024年)

〇2025年4月3日、妻憲子の急死。思いもかけない悲劇に絶体絶命のピンチに追い込まれました。でも家族、医療スタッフ、介護スタッフの全面的な支援を受けて執筆活動を続ける態勢ができました。
〇2025年6月1日、歯科医の砲門ドクターからファンレターが届く。

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