
湊 かなえさん(作家)
当時、執筆には関心は
その時期の私は、「本を書く側の人間が自分と地続きの世界に存在する」という考え自体が及びもつかないことだったんです。当然、自分で何かを書こう! ということは想像もしなかったですね。
大学では家政学部被服科を選択されます
”自分は手先が器用”というのはいつも思っていたのと、やっぱりなにか手に職をつけた方がいいかな……、という考えから進路を決めて。卒業後は、そのままアパレルの世界に就職しました。

その後、海外へ出られますね
森村桂さんの『天国にいちばん近い島』を読んだときから、自分もいつか南の島に行くぞ! と心に誓っていたんです。仕事を始めてしばらくしたある日、ふと『青年海外協力隊』のポスターを目にすることがあって、それに興味を惹かれて説明会へ行ったんです。するとまさにそこに、「行きたい!」と密かに願っていたトンガが、「家庭科の先生」という募集告知を出していて。それを見たとき、「ああ、これに行くのは私だな」と直感したんですね。
とても行動力がおありだと
常に行動的な訳ではないんです。でも”チャンスは逃したくない”という気持ちは強いですね。これを逃したらトンガに住む機会はない──、そう思ったら自然に体が動いていましたね。念願叶ってのトンガですが、叶った時に考えたのは、”今を人生のピークにはしない”こと。楽しいのはもちろんそうなんだけど、今を人生最高の時にしてはいけないと常に自分を戒めて、全てを経験値に帰国しました。
