
清川 あさみさん(アーティスト・アートディレクター)
文化学院時代に読者モデルになります
そうなんです。学校に入るときは将来何になるかなんてまったく頭になかったし、ただ服が好きだからというだけで行ったんだけど、その時気づいたのは、「私はみんなと同じことをするのが得意ではないな」ということ。団体行動よりも一人が好きだったのはスポーツに限らなかったわけです。だから、みんなでいっせいにミシンをやったり、デザイナーを目指していると、なんだか自分はそれとは違うところへ行きたいと思ってしまって。卒業が近づくと、みんな「コムデギャルソン」とか「ヨウジヤマモト」とかに就職が決まっていくんですけど、そこでも、「みんなでいっせいに同じ方向に向かっていくのは違う」という思いが首をもたげて、進路も一瞬迷いました。
現在の仕事に出会ったきっかけは
文化学院を卒業するとき、何故か先生が私のことを「面白い」 って言ってくれて。でも、私にはその意味がよくわからなかったんです。だって作品はそんなに作ってないし、提出するのばかり凄く速くて、授業が終わると誰よりも早く帰っていたんですから。それでも、「あんた絵が得意なんだから、絵でなんかやったらいいよ」 という先生のアドバイスを信じて、卒業制作で絵を描いたワンピースを発表すると、それが美術系のライターさんの目にとまり、いきなり美術系の雑誌で巻頭ページを作りたいというオファーをいただいて。見た事がない手法が目にとまったとおっしゃっていました。
最初の作品はどんな手法で
布と糸を使って油絵のような表現したんです。いろいろ試しているうちに、写真に直接刺繍してみたり、自分で面白いと思うことをどんどんやってきた、という感じですね。もともと既存の枠から外れることで自分自身でいられるようなところがあって。それになにより新しいものが好きなんです。見たことがあるものにはぜんぜんときめきを感じないんです。その反面、新しいものを見ると感動します(笑)。
素晴らしいスタートですね。最後に若者にアドバイスを
本当にそう思います。自分で面白いと感じる事をやっていたら、次第に広告のお仕事や作品制作も同時でするようになっていって。そんな私がみんなにひとつアドバイスできるとしたら……、とにかくなんでもいいからコツコツと楽しみながら好きなことをやって、自分だけのオリジナルな何かを見つけてくれたらと思います。

きよかわ あさみ 1979年淡路島生まれ。
文化服装学院在学中より、読者モデルとして人気を得て連載やスタイリングを手がける。現在、糸や布を使ったアート作品、衣装、空間、映像、イラストレーションを創作するアーティストとして、そのオリジナルな世界観がさ歌ざまな分野から注目されている。またCMなどの広告、CDジャケット等を数多く手がけるアートディレクターでもある。絵本『人魚姫』や旬な女優とのコラボ『美女採集』(INFAS)など書籍も多数。最新刊は『caico』(求龍堂)。www.asamikiyokawa.com
写真:鈴木正美
(月刊MORGENarchives2008)
