『ぐるり科学ずかん 変身のなぞ – 化学のスター! –』

原田 佐和子、小川 真理子、片神 貴子、溝口 恵/著/ 富士鷹 なすび/絵

玉川大学出版部/刊

定価4,620

子どもから大人までワクワクする図鑑

 科学ずかん「変身のなぞ」を手にした。パラパラとページをめくってみたところ「これは面白いな。このような図鑑は見たことがない。」と思わされた。そこには、いわゆる化学のなぞが一冊につまっていた。

 私は今、小学校一年生の担任をしている。何気なく教室にこの図鑑を置いてみたところ、すぐに子どもが飛びついてきた。

「何だこれ!面白いぞう。」と、ひとり、ふたりと図鑑に集まってきたので、私は、

「ちょっとむずかしでしょ。化学だから、六年生レベルかなぁ。」

 と言ったら、

「分かるよ、分かるよ。」

と興味を持ってきたので、

「おっ、すごいなぁ。じゃあさ、これは面白い!と思ったところに、このシール貼ってみてよ。」

 と言い、ニコニコしている子どもたちに付箋シールを渡した。さらに、

「おもしろベスト10を教えて。」

 とお願いした。結果は・・・

 第一位・・・ソーダ水は冷たいところが好き

 第二位・・・つながるちいさな粒たち

 第三位・・・目に見えないミクロの世界の主人公

 第四位・・・葉っぱが赤くなるしくみ

 第五位・・・燃えやすいもの・燃えにくいもの

 第六位・・・ふくらむビニール袋

 第七位・・・似ている!スライムとナメクジ

 第八位・・・美しい石たち

 第九位・・・酸性とアルカリ性にも強弱がある

 第十位・・・アサガオの色水が赤や青に変身!

 であった。全体の感想は、

「もっと知りたくなった。」であった。小学校の学習に「総合学習」があるが、子どもたちが興味を持って探求するきっかけを与えるのが難しい点があるが、この図鑑にはそのきっかけにあふれているように思えた。

 帰宅した私は、自宅にこの図鑑を置いてみると、今度は小学五年生になる息子がこの図鑑を手にしていた。集中して読んでいたので、

「どのページが面白かった?」

と問いかけると、

「水は変身のなぞ、だな。毎日、水は飲んでいるけど、こんなに変身しているとは知らなかった!」

 と言っていた。

 昨今、日本の小学生の理科離れが話題になっているが、このような図鑑があれば、子どもたちの理科や化学に対する興味関心は衰えることがないように思える。

小学校の低学年から高学年まで、そして大人までもワクワクして読める化学の図鑑に出会えたことに感謝したい。

(評・東京立教小学校教諭 中村 俊英)

(月刊MORGENarchives2013)

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