青い海と空のみちのく八戸から・波動はるかに 第6回 我が “Field of Dreams”
“フィールドオブドリームス”という映画をご存じでしょうか。
一人の農夫が神のお告げのような夢を見て、自身所有・栽培している広大なトウモロコシ畑の一部を野球場に変えてしまい、そこにプロ選手に憧れた父親やプロの世界では一瞬しか出場出来なかった選手など往年の野球界の記憶に残る選手たちが集まってくるというファンタジーで、野球好きには胸にじんと来るストーリーである。
私の住んでいる八戸市から車でおよそ1時間と少しのところに野辺地という街がある。青森、弘前、下北からも同じような時間集まれる、つまり青森県のへそという位置にあるところなので、青森県全体の大会を催すのに都合がよい。野辺地という街の市街部にはいったことはないが、球場は国道4号線を外れ、樹木のトンネルを1キロほど走ったところの山中に突如現れる、運動公園の中に作られた野球場なのだ。グランドに立つとその周囲は3~10メートルもありそうな樹木に囲まれている。上空から俯瞰すれば緑の海に浮かぶ孤島のように見えるかもしれない。これが映画の記憶を呼び戻した。トウモロコシが樹木に置き換わっているというわけだ。映画では人の高さの2,3倍もありそうなトウモロコシの間から主人公の父親をはじめ、彼の裡側に思い入れのある選手等がつぎつぎと現れてくるのだが、このグランドにも林の樹々の間から、選手の入場がいかにもありそうな感じなのである。