
「こころの病も心身一如の自然治癒力」―季節性うつ病から双極性障害を自ら体験して― 第11回 「早起きは三文の徳」
「早起きは三文の徳」
当庵の晩酌開始は午後五時で、「こころよく我に働く仕事あれ、それをしとげて死なんと思ふ」(石川啄木の歌)と唱えて飲み出します。原則として純米酒の欄酒です。酔いが回るや、ほとんど例外なく八時前後に寝入ってしまいます。うたた寝がほとんどですが、まれですけれども初めから本寝です。
アルコール性早期覚醒のおこる午前一時から二時頃に尿意を催し、起き出してトイレをします。このトイレに立ったあとの行動が、先述したとおり私のこころの病にとって最重要なことです。
何度も繰返してきた私の双極性障害2型体験から申しますと、二つのパターンがあります。
パターン①は、トイレ後に眠けに誘惑されてまた床に入ってしまい、二番、三番とダラダラと寝入ること。 すると決まってREM (レム)睡眠で夢を見ます。REM睡眠について少し引用しましょう。
「REM睡眠は、睡眠中、目がきょろきょろ動き、脳の活動も活発で夢を見ています。 手足を含む筋肉は弛緩していて、脳は働き体を休める睡眠です。nonREM(ノンレム)睡眠は逆に、寝返りを打つなど体は動かしますが、脳は活動をやめ、脳や神経を休める睡眠です」「夢を見たと感じるのは、REM睡眠の最中に目が覚めたときで、nonREM睡眠の途中で目が覚めると夢を見なかったと感じます。」(家庭の内科学 山口泰著 ごま書房)
あえてアルコールと眠りの注意点には触れないことにして、二番寝入り、三番寝入りのREM睡眠で見る夢の話をしますと、いつも同じ様な内容のイヤな夢です。気分が落ち込む様な夢なんです。(詳細は省きます)この様なパターンが続くと、うつ病期へと進んでいきます。判っていても、こころの癖で何度でもハマってしまうのです。