
「わたしのマンスリー日記]」 第33回 「科学の芽」賞の眼(め)─科学する心
新春早々朗報が届きした。私が筑波大学の副学長時代に発案して始めた「科学の芽」賞が20周年を迎えたというのです。これは嬉しかった。正直当時は苦しいこともあったけれど、こうして足跡を残せたことは幸せです。20年継承していただいた関係者の皆さんに感謝申し上げます。
以下表記のタイトルで20年記念誌に寄稿したものです。
1 朝永振一郎博士生誕100年記念
「科学の芽」賞 20周年、本当ですか。感無量です。よくぞ20年も継続していただきました。心より感謝するとともにお祝い申し上げます。
朝永先生は1906年にお生まれですので、朝永振一郎博士生誕100年行事は2006年の秋に行われたはずです。岩崎洋一学長からこの記念行事を京大・阪大と並んで行いたいとの話を聞いたのは、同年3月だったと記憶しています。当然物理学系では記念行事を企画するはずでした。
私は昔のことを思い起こしていました。朝永先生がノーベル賞を受賞されたのは 1965年の秋のことですので、私が東京教育大教育学科2年次のことでした。何しろ湯川秀掛博士に続く日本人として2人目のノーベル賞受賞者です。日本中がお祝いムードに包まれました。狭い大塚キャンパスにも大きなお祝いの看板が掲げられ、実は何も関係もないのに、自分たちも偉くなったように錯覚していました(笑)。
岩崎学長の話を聞きながら、私の脳裡に一つのアイデアがひらめきました。それが「科学の芽」賞の発端でした。どんな偉人の場合でも「生誕100年記念」と銘打たれれば、100年に1度のイベントで終わってしまいます。それでは余りにももったいないと私は考えました。そこで思い付いたのが小中高校生を対象に科学の研究リポートを募集し、優れた作品に朝永振一郎記念賞のようなもので表彰しようという構想でした。

