室谷 義秀さん(パイロット)
室谷義秀さんは日本人初のエアレース(飛行機の飛行技術や機体性能を競いあうモータースポーツ)世界チャンピオンである。2009年から参戦した世界最高の舞台「レッドブル・エアレース・ワールドチャンピオンシップ」で数々の好成績を上げると2017年にはついにチャンピオンに輝いたが、当然、その道のりは平坦ではない。「エアレースパイロット」という道なき道を歩いた十代の轍を訊いた。
幼い頃、空に憧れたとか
そうですね、テレビでガンダムを見て。あんな風に飛べたらいいなと。
他にどんなことに興味を
小学校の高学年からはサッカーでしたね。高校までやってました。他は、とりたてて言うほどのものはあまりなかったかな。
そのころの将来の夢は
パイロットになりたい、それだけです。
当時パイロットになるにはどんな道が
日本でメジャーなのはまず自衛隊に入ることですね。高卒で入れる〈航空学生〉という制度があって、これがパイロットになる専門のコース。後は民間のJALや全日空の〈自社養成〉といって、入社すると会社で養成してくれるんです。この二つが花形ですね。給料貰いながら運転できる。あとは民間のこう――ちっちゃい飛行機。4人とか10人乗りくらいの飛行機で写真撮影とか遊覧飛行とか、旅客輸送じゃない飛行機あるんですけど、そういうパイロットは大抵自力で免許を取って就職する、大体この3つのパターンのどれか。
大学に入るとき、その3パターンは頭の片隅には
自衛隊に入るにしても、幹部候補生は大卒が条件になるんですね。それが頭にあったので、とりあえず大学は入ろうということになりました。