渡辺 武志さん(名古屋大学教育学部附属中・高等学校 図書情報部長)

 新学期には中学校1年生と高校1年生に本校で発行する30頁の小冊子「図書館案内」を利用して、図書館オリエンテーションを行っています。学校図書館は生涯学習の出発点として、重要な図書館利用者教育の場であり、「資料探しクイズ」の初級編、上級編などを活用して1時間、図書館の利用方法やマナー、資料探しなどを実施しています。特に資料探しについては、本校が1995年4月から行っている総合人間科という生徒の調べ学習の利用のため、力を注いでいます。

 また、本校はSSHとSGHの指定校になっています。その学習を支えるため、近年は全体の図書の20%は理系の本、10%は言語・文化関係の図書を購入したりするなど、活動の深化を図っています。絵本の蔵書では394冊のうち、約70タイトルを日本語版と英語版でそろえ、英語の授業や多文化理解の授業で役立てています。

 調べ学習以外にも楽しみのための読書機会を提供する場として、ライトノベルや漫画、小説など幅広いジャンルの蔵書があります。また、生徒に向けて玄関通路などに図書館の新着案内情報などの掲示を行い、広報活動にも取り組んでいます。

 最近は、ネット上でさまざまなサービスが受けられるようになっていますが、図書館がネット上でのサービスを正しく受けることができる原点として機能していくよう努めたいと考えています。今年度は、大学図書館との連携を図り、紙の資料とともに電子書籍やデータベースなどの電子資料を授業に取り入れることを計画しています。

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