『10代のための座右の銘 今を変える 未来を変える』

大泉書店編集部/編

大泉書店/刊

本体1,300円(税別)

人生の羅針盤を手に入れよう

 皆さんは自分の『座右の銘』を持っているだろうか。もし持っていないというのならこんな本はどうだろう。

『10代のための座右の銘』には「今を変える 未来を変える」とサブタイトルにあるように、人生を歩むうえでの支えとなぅてくれるような言葉が数多く載っている。過去の偉人や哲学者から今を輝く人物まで、古今東西を問わず集められた言葉は、そのどれもが親しみ易く心に響くものばかりだ。

 その中で特に私が好きなものは、古代ギリシアの哲学者・ソクラテスの「世界を動かそうと思ったら、まず自分自身を動かせ」という言葉だ。この言葉に興味を持ったのは、私自身の経験に重い当たる節があったからだ。小学生の頃の私は、考えるだけで動かない子どもだった。しかしあるとき、やっぱり動き出さなければ何も始まらないと気付き、実際に行動を起こした結果、収穫を得ることがあった。以来、私は何事も思い立ったらすぐ行動にうつすことにしている。そのおかげで、長く続けている囲碁や水泳では多くの仲間を得ることが出来たし、そこで培った胆力は、くじけそうになる心を叱咤激励してくれる。

「座右の銘」は持ってみたいけれどどれが自分に合っているか分からないという人もいるだろう。そんな人にも自分に合った座右の銘が分かり易く見つけられるように「チャート診断」というものも掲載されていて、とても便利なつくりだ。

 一寸先は闇というのがピッタリな今の世の中。そんな中でも灯台となって未来を指し示すのはやはり「言葉」だと思う。確固たる支柱ある戒めや模範となるような言葉があれば、苦境に立ったときも自分を見失わずに立ち向かうことも出来るかもしれない。

 こんな今だからこそ自分を変えてみようと思う人には、ぜひこの本を読んでもらいたい。必ずや人生の羅針盤となる言葉に巡り合えることだろう。

(評・愛知みずほ大学瑞穂高等学校 1年 松田 拓)

(月刊MORGEN archive2016)

 

関連記事一覧