二井 依里奈さん 松井 由記さん(田園調布学園中等部・高等部 司書教諭・司書)

校内外でのびのびと交流する~本を架け橋に~

 1926年に創立した東京都世田谷区にある女子中高一貫校です。生徒数は約1200人。建学の精神「捨我精進」のもと、興味に応じて講座を選択する“土曜プログラム”や,ニュージーランド留学なども実施しながら,生徒が積極的に広い世界へと踏み出せるよう後押しをしています。

開放的な図書館

 生徒が教室移動の時に必ず通るフロアが図書館の一部に取り込まれており,いつでも誰でも自由に出入りできます。入口には授業で紹介された本や図書委員が作った作家紹介コーナー等の展示があります。中に入ると2階と3階の部分が吹き抜けになっており,壁の一面全体は,ガラス張りで明るく開放的になっています。カウンターの近くには,様々なコンクールや近隣の美術館・映画館等の催しも紹介されています。
生徒はこれらを活用し、勉強だけでなく、自分の興味関心を深めたりコンテストに挑戦したりしています。授業で本を紹介する教員も多く、協働授業もしています。

「好き」をつきつめる

 図書委員会では頻繁にビブリオバトルをしており、都大会にも出場しました。また、国際貢献に興味のある生徒は朝日地球会議2019など外部の国際会議にも参加しました。他校の図書委員とともに行う「サークル読書会」は四十年以上の歴史があり、今年は本校で主催します。同じ本を読み女子校も男子校も共に語り合うことのできるのは貴重な機会です。

興味を広げる

 図書館で最近人気があるのは、豆本作りです。普段はあまり図書館に来ない生徒も噂を聞きつけて参加しました。表紙の布、花切れ、しおりの色を照らし合わせて、どんな本を作ろうか考える姿は真剣そのもの。製本が始まると、「あ、つけ過ぎた(ボンド)」、「いい感じ。インスタ映え!」と学年、クラスを超えて、わいわい声が飛び交いました。不思議なことに、一冊作ると必ずもう一冊作りたくなるようです。当初2日間の予定が、生徒からのリクエストにより4日間連続の開催となり、昼休憩や放課後にのべ30人程が豆本を作りました。高校生直木賞にも参加しています。選考会は「本への愛を叫ぶ」場だと生徒は語ります。作家へのインタビューも、アポイントメントを取るところから生徒が取り組んでいます。先日は『ビブリオ古書堂の事件手帖』の三上延さんにお会いでき、執筆の舞台裏をお聞きすることができました。また、「ニューヨーク公共図書館」(ドキュメンタリー映画)の映画会も催しました。保護者も共に観て図書館のあり方を考えるよい時間が持てました。

続きを読む
1 / 2

関連記事一覧