「わたしのマンスリー日記」第7回「生活科魂」――三つの心

3度目の「外出」

 6月17日土曜日、私はALS宣告後3度目の外出を果たしました。果たしたなどというと大げさですが、私のような重度障害者にとってはそれほど「外出」するということは大変なことなのです。

 ALSを宣告されて以降、遠出の外出などとてもできないと諦めていました。でもそれじゃ余りにも悔しいし悲しい。あの人にも会いたい、この人にももう一度会いたい、生まれ故郷信州の山並みをこの目でもう一度見たい! それまではALSごときに負けるわけにはいかない――。

 そんな思いでチャレンジしたのが昨年10月に果たした岐阜までの遠出の外出でした。最初の外出で不安もあったのですが、エンジン01文化戦略会議の仲間たちとの数年ぶりの再会の喜びの方が数百倍勝りました。

 2回目の外出は今年の3月の3.11チャリティーコンサートへの参加でした。「利他の精神」に溢れたコンサートの感動は本連載の3回目に「壁のないコンサート」としてお伝えした通りです。

 そして今回が3回目。「日本生活科・総合的学習教育学会」といういささか長い名前の学会の全国大会第32回神奈川大会に参加するためでした。学会参加とはいっても懇親会のみの特別参加で、昔の仲間の顔を見に行くのが目的でした。

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