「こころの病も心身一如の自然治癒力」―季節性うつ病から双極性障害を自ら体験して― 第2回 「医学の本旨は人間のもつ自然の生命力」

 更に干島博士は、「キャノンは、ソ連のパプロフの条件反射学、オーストリアのフロイトが創始した精神分析学、カナダのセリエのストレス学説や、自己の生理学を基礎として精神身体医学を唱えた」「感情と肉体との密接な相関々係を医学に応用したこの精神身体医学は日本の医学界にも大きな影響を及ぼしている」(血液と健康の知恵 地湧社)

 そして、「気血の調和や、精神、身体医学などは何れも人間を1個の個体として心身一如(心身一体)として観るのはよいが、個体と環境との関係、及び個体の動(運動)の重要性や気血動をむすぶひもが何であるかが忘れられている。そこで、私は〝気血の調和原理″を改めて〝気血動の調和″とし、これこそ健康長寿の根本原則であると強調している」と提唱しました。干島の心身一如の生命弁証法という哲科学によって裏づけされたものであり、「気血動をむすぶひもとは」 と 研究課題を投げかけています。

再び千島学説非認識派の立場から考える

 『病気が長引く人、回復がはやい人』江田証著(幻冬舎)からの引用です。

 「最近、私はあることに気づきました。見た目が若い人は、病気になりにくいということです。見た目が若い人の体を調べてみると、血管や血液また心臓や脳、胃腸などの臓器の状態がよく、それを構成している組織、細胞までも若々しい。この若々しさとは、言い換えると、「レジリエンス」がある、ということです。日本語では抵抗力、抗病力と訳されます。病気を遠ざけたり、ダメージを受けてもボキッと折れず、すぐに立ち直れる、バネのような回復力のことです」

 ここでレジリエンスが出てきたので、良書『こころの免疫力』藤田紘一郎著(新潮選書)からレジリエンスについて述べてある項を引用して取り上げます。

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