吉村 美友紀さん(熊本県立第一高等学校 学校司書)

特に力を入れているのが新書を読むこと

 熊本県立第一高等学校は、熊本城内に学び舎が建つ、百十七年の歴史を誇る進学校です。全校生徒は訳千百人。生徒たちは、毎朝七時半開始の朝課外から放課後の部活動まで、毎日忙しい日々を送っています。

 校舎から離れた場所にある本校の図書館は、忙しい生徒たちにとってなかなか足の向く場所ではありません。そこで、図書館では、各教科や、各部・各学年などとの連携を行っています。

  • 「場所」としての図書館認知

好文会(保護者会)主催で、平日放課後午後七時五十分まで図書館を自習場所として開放しています。貸出カードやレファレンスカードを準備し、司書不在中でも貸出を可能にしています。また各方面の外部講師による講演会の会場としても利用されています。その他、授業での利用や係の集まり等にも積極的に利用を促し、生徒たちに「図書館という場所」を知ってもらう足掛かりとしています。

  • 教育活動の一部署として

図書館として特に力を入れているのが、新書を読むための手立てです。進路指導部や国語科、各学年と連携していろいろな場面で生徒たちが新書に触れる機会を作っています。国語科での新書レビュー作成、総合的な探求の時間での新書読み、図書館での新書福袋作成等を行っていますが、これらの取組みを始めてから新書の貸出しが増えています。

 今年度、一年生の総合探求の授業では、担当教諭と司書で打ち合わせを行い、新書ビブリオバトルを行いました。全員が新書を読んでそれを紹介する取組みを、班ごとの発表からクラス全体へとステップアップする形で行ったところ、思いがけず「面白い」という声が上がり、急遽クラスのチャンプ本の書評合戦を学年全体で行う運びとなりました。全体発表時には、生徒自らが司会や運営を申し出て計画するなど、短い時間の中で積極性が見られたと学年主任も驚かれていました。

 また、保険体育のレポート作成の授業では、資料の準備だけでなく、レポートの書き方をレクチャーし、毎朝授業時間中にも生徒たちとのレファレンスを毎年させてもらっています。必要な資料は、その都度他館と相互貸借を行って補充し、生徒に提供します。総合的な探究の時間にも同様のサポートをしています。現在は、一・二年生ともポスターセッションのための調べ学習をしていますが、これらの授業を通じて、図書館で資料を探すあるいは尋ねるということが以前よりも身についてきたように感じます。

  • 学校に図書館があるという意味

 学習指導要領に「探究」という文言が入りましたが、まさに学校図書館の機能が「探究の方法を学ぶための場所」だと思っています。情報過多の世界を生きていく生徒たちが、資料・情報を自らの手で取捨選択する力を身につけるために、今後も様々な授業やイベントと連携し、学校図書館として尽力していきます。

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