• 十代の地図帳
  • 青春の記憶に生きるヒントを訊くインタビュー記事

菊間 千乃さん(弁護士)

 菊間千乃さんは企業法務専門の弁護士である。企業法務とは、企業がその活動のなかで抱える様々の法律問題を適切に処理する事務業務だ。座学だけでは決して対応しきれない難事だが、それだけにやりがいがある、と微笑う。目指すのは「大丈夫」の一言で本当の勇気を与えられる弁護士。フジテレビアナウンサーからの異色の転身――十代の地図を開いた。

どんな少女でしたか

 小さい時から、まず目標を決めて、それに向かって準備するのが好きな子どもでした。例えば運動会なら、もうひと月前くらいからうさぎ跳び何往復、ダッシュ何本……とスケジュールを組む。ずっとリレーの選手に選ばれていたので、それに負けたくないというおもいと、やっぱり個別競技のかけっこにも負けたくない――。父がバレーボールの強豪校のコーチをしていたので、その影響も大きかったとおもいます。

お父様はどんな教育を

 普段は教え子たちと寮で寝食をともにする父は、家には週に1度帰ってくる程度。ほとんど顔を合わせないので、直接何かを言われた……、という記憶はないんですが、折に触れ、父の教える高校の練習風景や試合を見に行くことがあって――。汗と涙にまみれ、父に、練習にくらいつき、試合では最高の結果を出す。そういう姿を目の当たりにしていると、やっぱり努力しないと結果はついてこないし、努力をすれば結果はついてくる、というのを自然に学んだ。それを小さい頃から実践してきて。

小さいころの夢は

 すごく小さい時はスチュワーデスになりたいと思っていたんです。その後、小学校6年生のころからはアナウンサー。もうそこからずっと一筋で。背があまり伸びなかったというのもありましたが、父の教えるバレーボールやスポーツをやりたい、というのはあまりなかったですね。

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