『のびのび生きるヒント 真面目に頑張っているのになぜうまくいかないのか』

武田 双雲/著

青春出版社/刊

本体1,400円(税別)

おもいに縛られ力んでしまう人に

『あなたは最近、「のびのび」したことがありますか』これは、この本の初めに書かれている文章です。この文章を読んで、思わずドキリとする人は結構いるのではないでしょうか。  

 日々の生活に追われ、気が付くと眉間にシワ、肩には力が入り、心に余裕などない状態。そう、まさに「のびのび」を忘れた状態。そんな人にぜひ読んでもらいたいのがこの本です。著者は、型にはまらない書道で有名な武田双雲さん。本書は、彼が今までの人生で実践してきた「のびのび生きる」ために必要な「ヒント」を、具体的にわかりやすくまとめたものです。

 では、「のびのび生きる」とはどういうことなのか。双雲さんは、「のびのび」を忘れてしまった私たちに3つのメソッドを提示しています。その3つのメソッドとは、「のびのび瞑想」「のびのびモード」「のびのび言葉」です。具体的な内容については本書を読んでもらいたいのですが、これらを実践していくことで、自分らしい「のびのび」を体感できるようになり、ぐっと「のびのび生きる」ことに近づいていけます。

 さらにどうして現代人は「のびのび」できず「縮こまって」しまうのか、についても述べています。それは「失敗が怖い、世間から批難されたくない、自分の価値を認めさせたい・・」という思いに縛られ力んでしまうから。それに対して具体的にどう乗り越えれば良いのか、自分の体験談を例にわかりやすく説明してくれています。

 この本を読み終える頃には、「のびのび生きる」ことにワクワクしてきているはずです。これからの人生は「のびのび生きる」と決め、まずこの本に書かれていることの何かひとつを一緒に実践してみませんか。

(評・福島県立清陵情報高等学校 司書 太田 千恵子)

(月刊MORGEN archives2017)

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