「わたしのマンスリー日記」 第12回 林真理子理事長、辞めなくていいですよ!!――イチハラ、ハピネス。

 しかし、そんな思いは大学の教員になって打ち壊されました。某年某月某日、ある会議の席でのことでした。某女性教授がいきなり立ち上がり、机をたたくなり男性教授に向かってこう叫びました。
 「私はあんたの女房じゃないんだからね!」
 一瞬何が起こったのかと目を覚ましました。背景に何があったかは知りませんが、その前に男性教授が女性教授に何か失礼なことを漏らしたのでしょうね。この種の「事件」(?)は何度も経験しましたが、何といってもこれが最大のショックでした。もちろん人間関係はグシャグシャでした。

 民間の企業にお勤めの方には理解できないでしょうが、大学というところはこんな人間関係でも「やっていける」不思議な空間なのです。普通の企業ではそれぞれの企業目標・利益を達成するために協力して、努力するということになるのでしょうが、大学、ことに国立大学の場合は大学目標など無きに等しく、管理職者を除く一般教員は授業を中心とした個人プレーの集合体なのです。
 その結果、大学の教員の中には常識的に見て、「ちょっと変わってる」「少し変だ」と思える人が少なからずいることも事実です。私もその一人かもしれませんが(笑)。多くはコミュニケーション能力の欠如です。ある教授は人とまともに接することができないために、作成した入試問題を直接担当者に手渡さず、担当教授の研究室のドアの下に放り込むなんてこともありました。入試の作業は大学教員にとって最重要な業務の一つで、入試問題は直接手渡しすべきものです。これができないというのでは教授失格と言わざるを得ません。

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