「わたしのマンスリー日記」第9回 水害地名の反響あれこれ

 正直疲れました。今年になってから1日も休むこともなく、連日10時間以上、障害者の意思伝達装置として開発された「伝の心」というパソコンに向かって打ち続けました。通常のパソコンの10~20倍も手間暇のかかる代物です。

 この数年私はこの伝の心だけを頼りに本を書いてきました。伝の心が不具合になれば、何もできなくなるということです。その恐怖を乗り越えて『全国水害地名をゆく』(インターナショナル新書)を上梓できたことは「奇跡」だと私も思います。これは薬師寺達郎さんという「最強にして最速の編集者」に巡り合えたことになるものですが、人の手が届かない神仏のお陰だと思わざるを得ません。

『全国水害地名をゆく』(インターナショナル新書)についての反響のあれこれを紹介することにしました。第三者の目を通すことによって拙著の思いがさらに伝わると考えたからです。

 掲載はいただいた順で、いずれもエッセンスの部分のみです。行をツメルなどの若干の編集の手を加えた箇所もありますが、文章はそのまま掲載させていただきました。*以下は私の感謝の気持ちを込めたコメントです。併せて読んでいただければ幸いです。

【8月3日】「私の命と全魂をかけた闘い」

 まずは「まえがき」「あとがき」を拝読しました。私の式辞をお取り挙げ、引用下さり、こちらの方こそ恐縮の至りです。

 御執筆の御苦労を拝察するに、「私の命と全魂をかけた闘い」と称していらっしゃるのは決して「大仰」なことではなかろうと愚考致します。

 当方は昨今の「女子大への逆風」の中、いかに小規模女子大の伝統維持と経営(入試状況の改善や経費削減)を両立させていくか、(学内や理事会での非難も受けながら)日々苦労をしている実情です。望んで学長になった訳でないのに色んなことの矢面に立たされることに、正直申して辛さを感じております。

 しかし、先生の驚異的な御意思の強さや御努力の大きさに比すると、自身の苦労などまだ尋常の範囲であり「嘆いている場合でない」と、勇気を頂いております。学恩に心から深謝申し上げます。              (清泉女子大学学長 佐伯孝弘先生)

*今年の3月、清泉女子大学の学位授与式(卒業式)の学長式辞で私のことに触れて学生たちを励ましたというニュースが飛び込んできました。拝読して涙が流れました。本書の「あとがき」に引用させていただきましたが、涙して読んだという読者の声がいくつも届きました。佐伯先生の式辞からドラマが生まれました。最後までお読みください。

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