青い海と空のみちのく八戸から 波動はるかに 第2回 東・南・西・北

 自慢するほどではないが、少年・青年時代の私は秀でた方向感覚の持ち主だった(と、思い込んでいた)。人に道を問われた時など、立派に明快に方向を指示できた。

 『ここまっすぐに100メートル進んだら東方向に30メートルほど行く。その角を南に急折れして道なりに5分、その先の南西側に……そこを北に向かって……』こんな具合に、明快でしょ?東西南北がきっちり示されていて……。

 もともと地理の日常感覚というものは、頭の中にどんな地図を描けているのかという問題なのだと思う。大人になって横浜、東京に職を得て住み始めると、自慢の方向感覚が歪み始めた。加えて、道案内や位置特定に東だの南だの西だの北だの言うものだから、周囲から「マアジャンでもあるまいに、田舎ッペイ‼」(若い時から麻雀も強かった)と馬鹿にされる始末となった。何故そういうことになったのか?確かに、まさしく、真に山家の生まれ育ちなので田舎者であることは認めざるをえないが……。原因を探っていくと、思い当たることにたどり着いた。

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