山崎 健一さん(元教員・市民ジャーナリスト)

「無知」や「無関心」、「想像力のなさ」が不幸を生む

 無知や無関心は、結局、事故を無かったことと同じにしてしまう。こうしたらこうなる、という想像力の欠如もそうです。これは、一般の人たちにも言えることだし、政治家も、原発従事者もそうなんだけど、そういう思考停止が3・11の不幸を呼んだような気がするわけです。でも、今、福島を見ていると、やっぱり無かったことにしちゃっているように見える。私が一番、これはおかしいと思うのが、いわゆる核廃棄物、放射能があるものをまとめて全て福島で処分しようとしていることです。濃度も分からないような汚染土を農地の下、高速道路の下に埋める。あるいは、トリチウムを含む汚染水を海に流してしまうなんていうのは、絶対におかしい。これは何も福島県、日本だけの問題じゃないんです。国際的に非難を受けるべきことだし、そういうことはしちゃいけないと思いますね。

終わりなき挑戦  

 基本的にボランティアなので、気力、体力の勝負です。それでも、求められる間は続けていきたい。そうしてる間にも、どんどんデータが古くなっていく。推移が新たしいものになり、数字も変わる。だから、旅ガイドも何度も手直ししないといけない。そういうのは直さないといられない性分なので(笑い)、社会科の教員としてはね。自分が発信したことが間違ってないというのを証明するためにもキチンと文字で残したいと思っています。

(月刊MORGEN archive2020)

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