野鳥と私たちの暮らし 第13回 家屋に移り住んだ益鳥 ツバメ

飛んでいる虫を空中で捕える

 ツバメは、北半球に広く分布し、ほぼ日本中で見ることができる鳥です。多くの地域では夏鳥として渡来し、冬には台湾、フィリッピン、ボルネオ島などで越冬する渡り鳥です。飛んでいる小さな虫を空中で捕えることに適応した鳥で、日本には3月初めから4月下旬に渡って来ますが、その渡来状況はツバメ前線マップとして知られています。

 日本には、ツバメの他に、イワツバメ、コシアカツバメ、ショウドウツバメ、リュウキュウツバメが生息しています。これら5種類のツバメ科の鳥は、いずれも飛んでいる虫を空中で捕えることに適応した鳥ですが、この中でほぼ日本中で見ることができるのがツバメとイワツバメです。
両者は、体の大きさがほぼ同じで、姿もよく似ていますが、ツバメの方は尾羽根が長く、喉と額が赤褐色に対し、イワツバメはやや尾が短く、腰の部分が白いのが特徴です

家屋などの建物に営巣

 ツバメは、人家の軒先などの人工構造物に営巣し、市街地でも繁殖する日本では最も身近な鳥です。本州中部では標高1200m以下の地域で繁殖していますが、北海道ではさらに低い地域で繁殖し、北へ行くほど生息数は少なくなります。それに対し、イワツバメは、標高500mから3,000mの高山帯に生息し、ツバメに比べより標高の高い地域で繁殖しています。

 イワツバメは、名前の通りかつては山地から高山の岩場に営巣していたのですが、明治以降平地にビルなどの高い建物ができてからは、山から平地にも進出し、現在ではビル、橋などの人工構造物に集団で巣を造り繁殖しています。イワツバメの平地への侵入により、もともといたツバメの数は一時減少したとのことですが、現在では多くの地域で両種が共に繁殖し、共存しています。

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