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大門 真優子さん(衣装デザイナー)

 大門真優子さんはフリーの衣装デザイナーである。しかし、これはあくまで既存の肩書きを割り当てた場合の話。

 歌手のライブ衣装作成や、雑誌企画のアートディレクション……、ときには映像や音楽を使って視覚的、空間的に創りあげるその仕事の呼び名は、少なくとも今の日本にはないだろう。

 目指す地平は「ウェアラブル(身に着けられる性質)でありつつも、どこか絵画やオブジェを思わせる超現実的なビジュアル世界」。鬼才の源泉を訊ねた。

 大門さんが生まれたのは埼玉県。幼いころからモノづくりの大好きな少女だった。やわらかにかすむ記憶の奥には、妹と二人で楽しんだ人形遊びの光景が浮かぶ。人形の服づくりに夢中になるうち、気付けば日が傾いていた。

 服が完成すると今度はストーリーだ。これもどこかで見聞きしたような話ではなく、オリジナルをものをと二人は楽しげに頭をひねる……。

 想像力と創造性に満ち溢れた幼年期――、それを支えたのは父だった。「自分のやりたいことをノートに100個書いてみなさい」あるときそう促された。(私はいっぱいあるから、きっと100個なんてよゆうよゆう……)威勢よくノートに向かったが、すぐにウッとなってしまった。もうこれ以上書けないという位に書き込んでも全く埋まらないのだ。

「どんなちっちゃなことを書き込んでも半分もいかない。100なんてまるで届かないんです。それで、あっ、私まだ全然足りてないんだって気付いて……」

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