青い海と空のみちのく八戸から 波動はるかに 第3回 ビギン ザギン  「六月の田園」 

 今回教文館ギャラリーステラには、私がこれまで、魅せられて通り過ぎることができず求めてしまった収集作品から、また私の水墨画、治史作品の17点が飾られた。作風、絵画ジャンル、テーマも違うが、これらの作品の鼓動はすべて私の身体だ。『波動はるかに』の本の中の絵画たちに囲まれて、またご参加皆様の熱量を受けながら私は話しだした。八戸移居の決意、佐藤先生と『ハルくんの虹』絵本制作秘話、韓国語から多言語活動への萌芽、松本奉山先生との出逢いと水墨画のこと、画集「女神たち」と有元利夫さん作品から、私の内なる言語が溢れだし『有飛行/有元利夫と仲間たち』出版(風濤社刊)、小出治史の出現、八戸で『みらいえchez Kamitomai』スタートに込めた夢を。2日目より合流した治史は、私との出逢いから2008年6月8日八戸市神明宮の婚儀にあわせて出版した『六月の田園』を語った。同タイトルの絵画は、天空桟敷の人々とことばを求めて地上を這う人々の田園原景だ。当時治史は私を前に、いつも夢見るように話し、どこでも詩を書いて差し出した。ある日居酒屋で割箸の袋にミミズ字で書いた。
    『私は父の子ではない
     わたしは母の子ではない
     私は絶対零度の空閾を高速で舞う素粒子の
     進化の結果なのだ
     ネ 一緒に遊ぼ 』       プロポーズ『六月の田園』マンマル社刊

 この詩をもらって、私はこの人と一緒に歩みだすのかな、何の約束もなく、何の未来も見えず・・この人には魂のことばがあるかなと。

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