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  • 過去に読書と教育の新聞「モルゲン」に掲載された記事からランダムでpickupし紹介。

野鳥と私たちの暮らし 第19回 漁業被害をもたらす黒い軍団 カワウ

 長野県では、カワウは1970年代に全くいなりましたが、1980年代に県南部から天竜川水系に入り、そこから犀川水系、さらに千曲川水系に分布を広げ、2000年代には長野県の主な水系と湖沼に広がり、現在では長野県のほぼ全域で見られるようになりました。

 カワウの数が増加したことで、魚業被害が深刻になりました。千曲川中流域にあたる私が生まれ育った地域では、春のつけば漁、夏のアユ釣りがかつて盛んでした。それが、カワウの増加、さらに最近の外来魚コクチバスの急増で、現在ではほとんど見られなくなりました。同様の漁業被害は、カワウの増加と共に日本各地の河川で起きています。

 2007年にカワウは狩猟鳥となり、狩猟可能期間であれば特別な許可なく捕獲ができます。しかし、警戒心が強く捕獲が難しく、多くの地域で漁業被害に悩まされています。
鳥の糞はなぜ白いのか?

 今回、茨城県の宮本奈央子さんが千曲川で撮影した糞をするカワウの写真を提供してくれました(写真3)。白い液体の糞をする瞬間を撮影したものです。この機会に、鳥の糞はなぜ白いかについて、最後に解説させていただくことにしました。

写真3 白い糞をするカワウ
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