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大門 真優子さん(衣装デザイナー)

 調べを進めて浮かんで来たのが文化学院だった。つまり大問さんは、将来を選択する上で、入り口からリーチの広い仕事の仕方を目指していた事になる。

「将来何をするか悩んだ時期があったんです。人にやりたいことを話すと、きまって何がしたいか分からない、となっちゃう。日本には夢の見本になる肩書きが無いんです。どう進んで行こうかというのは凄く悩みましたね」

 専攻したのは「映画・舞台衣装デザイン」。留学があること、ストーリー付きのファッションショーやそれが数多いことなどが選択の理由だ。とにかく今好きなことを、一番にやりたいことをしようと選んだ結果だった。

 大学3年になるといよいよ留学がはじまった。行き先はアメリカ、ニューヨーク州立ファッション工科大学(以下FIT)。期間は1年間という長丁場だ。大学に入って最初の2年、はじめて触れる服の世界がとにかく楽しくて仕方なかった。

 しかし反面、疑問も湧いた。あれもこれも全部やりたい――、そんな「欲張り」な自分を、果たして服の世界は表現しきれるのだろうか……。答えはまだ分からない。国際線の窓から見える景色が小さくなり、やがて透明な空の中にとけていった。

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