「わたしのマンスリー日記」第17回 「死なないでください!」

 前回の「生き地獄を見た」の続きです。勇気をもらえるドラマをお愉しみください。

届いた一通のメッセージ

 「60×60×24×14=1,209,600」、いきなりで恐縮ですが、これは何の数式だと思いますか? すぐわかった人は天才ですね。60×60がヒントですが、数学に強い方はピンときたかもしれません。60×60は1時間に刻まれる秒数を意味しています。
 それに24と14を掛けるということは、そうです、2週間の入院期間中に
刻む秒の回数が120万9600だということです。入院中にこんな計算をしていたわけではありませんが。
 入院して数日が最も苦しかったのですが、その間に何度かパソコンのデジタル時計の表示を開き、1秒でも早くこの苦痛から解放してくれという祈りの情景でした。私は絵を描くことはできませんが、生前深く交流させていただいたマンガ家の矢口高雄先生ならこの苦しみをどのように描いてくれるのだろうと夢想しながら、パソコンのデジタル時計の表示を見つめていました。考えてみれば残酷で悲しいシーンでした。
 私がFacebookに「このまま死にたいと思いましたよ」と投稿したのは2月7日夜9時過ぎのことでした。するとすかさずある「友達」からのリアクションがありました。

 このメッセージは私にとっていろいろな意味で衝撃でした。まず冒頭の「死なないでください!」という言葉に心を打たれました。こんなストレートな言葉を投げかけられたのは初めてでした。そして「先生がいてくださることが唯一の心の支えです」という言葉にも驚きました。私はエンジン01in市原の講座で公表した「生きる」宣言の中で、「難病と闘い重度障害を抱えながらも本を執筆してきた私の生き方から生きる勇気と元気をもらったという人がこの世に一人でも二人でも存在しているとしたら、喜んで残された命をその方々のために捧げましょう」と書きましたが、まさにその「一人」が現れたことになります。

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