『アナログゲーム療育~幼児期から学齢期まで~』

本の制作秘話を

 当初考えていたのは、10個のゲームを順番に解説するというものだった。でもそれだと単なる取り扱い説明書と変わらない、出版の意義が見えづらい、協力いただくゲーム屋さんにそう言われて。それは確かにその通りだと……。それで再度現場に立ち返り子どもたちと向き合った。そうするなかで、また徐々にノウハウが蓄積され、どう表現すればいいかも見えてきた――。でもそうなるまでにはやっぱり時間がいりましたね。結局できるまでに3年半かかった。

『アナログゲーム療育』で伝えたい一番の思いは

 お子さんの発達段階に合った療育をしてください、ということです。発達障害は人それぞれ度合がまったく違います。まずは、お子さんをしっかり見て、発達段階に合ったゲームを選ぶ。そうすることで、いまお子さんができることを増やしていける。発達障害の問題点は「見た目や実年齢は小学生でも、社会対応能力は幼児レベルかもしれない」というのを周囲が理解できないことです。「まずは子どもの発達段階をちゃんと知り、そこから無理のない成長を促そう」そういうご提案の本なんですよ。

まつもと たいち 1980年東京都生まれ。東京学芸大学大学院教育学研究科障害児教育専攻卒業。在学中にソーシャル・スキル・トレーニングの実践研究を行う。成人発達障害者の就労支援や、放課後等デイサービス職員として障害児療育を経て、現在はフリーランスの療育アドバイザーとして活動。

※ ホームページアドレス : www.gameryouiku.com

(月刊MORGEN archives2018)

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