田村 修さん(神奈川県立鶴見高等学校 図書館司書)

引っ越しは環境整備のチャンス環境整備は掃除から

 2018年に異動した。床のタイルははがれ、カーテンはボロボロ、書架の上には入りきらなくなった本が積まれていた。まずこれ以上はがれないようにタイルをテープで固定して掃除をした。そしてカーテンや色褪せたサインなどすべてをはがした。環境整備はまず掃除と古いものの廃棄からはじまる。

身軽になる

 8月にはプレハブへ引っ越す予定で、運ぶものを少なくするため本も廃棄した。書庫は物置のようで、バイオリンなどが放置され、中の資料は数年間誰も触れられた形跡がない。廃棄候補資料として一定期間廊下に展示し、教科でひきとるもの、図書館で残しておくべきものを教員にみてもらい、それ以外は2019年に耐震補強などをした現校舎にもどるまでに3500冊以上廃棄した。

資料主役のレイアウト

 物品・資料とも使えるもののみ残し、それでどう図書館を組み立てるかを考える。プレハブ校舎のレイアウトを考え、現校舎にもどってくるときの図面もひく。現状は机には主動線からアクセスしやすいが、館内をぐるりと囲んでいる書架には、机の脇を通らなければ行きづらい。貸出より自習の利用が多いのはそのせいかとも思う。

 利用者が資料にアクセスしやすく、机にたどりつく間にいくつかの書架を通って、思わず手を伸ばしたくなるような書架配置と展示方法を考える。

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