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  • 過去に読書と教育の新聞「モルゲン」に掲載された記事からランダムでpickupし紹介。

野鳥と私たちの暮らし 第24回 身近な里の鳥 ホオジロ

育雛

 雛が孵化すると雌はツイーという独特の声を出した後、卵の殻を嘴にくわえて外に捨てに行きます。雛はほぼ一斉に孵化し、雌は孵化した雛に餌を運び始めますが、雛は丸裸の状態なので、餌を与えた後15分間ほど雛を温める抱雛をした後、また餌を捕りに巣を離れます。抱雛は、雛に羽が生え始める6日目頃まで行われます。雛に与える餌は、蝶や蛾といった鱗翅目の幼虫やバッタなどの直翅目の昆虫、クモ類などです。

 雛が孵化すると、それまでは巣に近づくことがなかった雄も雛に餌を運んできます。雛はふ化から11日目で巣立ちますが、それまでに雛に餌を運んだ回数は雌雄ほぼ半々でした。

 雛は餌をもらった後に糞をしますが、雛が小さいころには親が食べてしまい、雛が大きくなると巣の外に捨てに行きます。

巣立ち後は雌雄で雛を分担

 雛が巣立った後も親はなわばり内で子育てを続けます。その場合、親は雛をそれぞれ分担し、自分が分担した雛にのみ餌を運びます。その期間は25日~29日間で、それを過ぎてから雛は親から独立します。

 巣造りから始まり、雛が独立するまでに約2ヶ月間かかります。

再営巣と2回目繁殖

 卵や雛が捕食されて繁殖に失敗すると、すぐに新しい巣を近くに作り再営巣を始めます。また一回目の繁殖を終えた後、一部のつがいは2回目の繁殖をします。巣は、草の成長や樹木の芽吹きと共に、地上から樹木への営巣が多くなり、巣はしだいに高い場所に造られるようになります。また、時期が進むにつれて、産む卵の数は減ってゆきます。

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