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  • 過去に読書と教育の新聞「モルゲン」に掲載された記事からランダムでpickupし紹介。

野鳥と私たちの暮らし 第33回 世界最速の鳥 ハヤブサ

空中で獲物を捕らえる世界最速の鳥

 急降下のスピードは速く、時速320㎞を出した個体が世界最速の鳥として、ギネスブックに登録されています。実際には、時速400㎞近くのスピードを出す場合もあるとされています。ですが、ハヤブサは急降下で世界最速の鳥であって、水平飛行の場合には、時速170㎞で飛ぶハリオアマツバメが世界最速の鳥なのです。

内陸部に進出

 ハヤブサは、現在は希少野生生物種に指定されている他、環境省のレッドリストでは、絶滅の危険が増大しているランクの絶滅危惧Ⅱ類(VU)に指定されています。この鳥は、かつては海岸の崖に営巣する猛禽でした。それが近年では、内陸部の崖にも営巣するようになり、生息数が増えています。

 海のない長野県では、30年ほど前までは繁殖していなかったのですが、その後各地で繁殖が確認されるようになりました。現在、私の住んでいる近くでは、長野盆地と上田盆地の境にある岩鼻の崖に20年ほど前から棲みついて、繁殖をしています。また、長野市内の県庁のすぐ近くにある朝日山の崖では、10年ほど前から繁殖が始まっています。さらに、長野盆地の北に位置する中野市の十三崖では、5・6年前から繁殖が見られるようになっています。

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