『話したくなる世界の選挙~世界の選挙をのぞいてみよう』

コンデックス情報研究所/編

清水書院/刊

本体2,200円(税別)

信じがたいたくさんの国の選挙から広がる視野

「正当な理山なくして投票しなかった場合、罰則が科せられる」
 これを聞いて皆さんはどう感じますか。これは実際に存在するオーストラリアの選挙制度の一部です。日本人の私達にとっては信じられないようなことですが、オーストラリアの人々にとってはそれが普通であり最善の選挙制度だと考えられています。本書ではこのような、私達にとっては信じがたいたくさんの国の選挙制度が紹介されています。私は本書を読み、自分の思考や視野が一気に広がりました。

 今回私は本書から「世界には完壁な選挙制度はなく、それぞれの国が公平な選挙を目指して改良を続けている」ということを初めて学びました。本書を読むまでは日本の選挙制度が正しいと考えていたのでとても衝撃的でしたし、自分の視野の狭さに気付かされました。また、変わっていく選挙制度の中にもそれぞれの国の国民性や国柄が表れているように感じました。そういった意味では本書からは世界の選挙を様々な方向から見ることができ、同時に多くのことを考えさせられます。

 未来の有権者である中高生は勿論、すでに選挙権を持っているたくさんの大人が、本書を読んで選挙に対してもっと興味や関心を持ってほしいと思いました。選挙一つをとっても世界には私達が知らないことがたくさんあります。そのことを学び、改めて日本の選挙を主観的にではなく客観的にみたとき、いかに公平な選挙へと改良していくことができるかが今後の日本の将来に大きく関わってくるのだと思います。

(評・旭川藤女子高等学校 1年 小野 緋和子)

(月刊MORGEN archives2017)

関連記事一覧