野鳥と私たちの暮らし 第8回「虎斑模様のフクロウ トラフズク」

虎の模様をしたフクロウ

 日本には7種類のフクロウが繁殖していますが、そのうちの1種にトラフズク(虎斑木菟)がいます(写真上・ 庭木のアカマツに塒を取っていたトラフズク。目の虹彩はオレンジ色。 )。虎のような縞模様をしているのでこの名がつきました。今年は虎年ですので、今回はこのトラフズクについて紹介します。

 この鳥のもう一つの特徴は、頭に羽角と呼ばれる2本の長くて立派な飾り羽を持っている点です。この羽角は耳のように見えるため、トラフズクの英名はLong eared owl です。 しかし、羽角は耳ではありません。耳は目の後ろにあり、羽毛で覆われているので、外からは見えません。羽角は、後ろに倒したり、閉じたり開いたりすることができます。人が近づいて警戒した時には、2本の羽角をまっすぐ上に伸ばし、羽毛を体にぴったりとつけて体を細くして、木の幹に似せて目立たなくする習性があります。

 日本では北海道から本州中部以北の森林で繁殖し、樹洞の他猛禽やカラスの古巣でも繁殖します。冬に一部は南に移動し、農耕地等の開けた環境が広がる地域で冬を過ごします。日本の他、ユーラシア大陸と北アメリカ大陸の亜寒帯から温帯に広く分布する鳥です。

冬に訪れ集団で塒をとる

 私が30歳代の頃、長野市郊外の人家の庭木にトラフズクが塒をとっているという情報を得て、研究室の学生と見に行ったことがあります。先の写真上は、その時に撮影したものです。庭木のアカマツに1羽が塒をとっていました。

 当時は、長野市内の他のいくつかの場所でもトラフズクが冬の時期に塒をとっているのを見ることができました。単独での塒もありましたが、中には学校や公園のヒマラヤスギに数個体から多い場合には10羽以上が集団で塒をとっている例もありました。この集団で塒をとる習性は、同様に冬鳥であるコミミズクでも見られますが、留鳥のフクロウ類では見られません。

 夜行性ですので昼間は寝ていて、夕方から塒を飛び立ち、夜間に農耕地、河原などの開けた環境でノネズミなどを捕えて食べます。

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