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  • 過去に読書と教育の新聞「モルゲン」に掲載された記事からランダムでpickupし紹介。

野鳥と私たちの暮らし 第33回 世界最速の鳥 ハヤブサ

ハヤブサ科の鳥

 ハヤブサ(隼)は、カラスほどの大きさの猛禽です(写真上:カワウの古巣で子育てをするハヤブサ。右が雄。写真下:持ってきた餌の小鳥を雌に渡し、飛び去る雄。)。雌の方が雄よりやや大きく、全長は雌が46~51㎝に対し、雄は38~45㎝です。体重は1kgほど。日本全国に生息していますが、数は多くありません。

 猛禽類の多くはワシタカ科ですが、ハヤブサはそれとは異なるハヤブサ科を代表する猛禽です。日本にはハヤブサより体の大きいシロハヤブサ、ハヤブサより小さくハトサイズのチゴハヤブサ、体がさらに小さなチョウゲンボウ、コチョウゲンボウ、ヒメチョウゲンボウの計7種が生息しています。

世界に広く分布

 ハヤブサは南極大陸を除いた6大陸に分布し、鳥の中では世界に広く分布する部類です。多数の亜種に分かれていますが、日本では亜種ハヤブサが留鳥として周年生息している他、冬季には北方で繁殖する亜種オオハヤブサが越冬のため冬鳥として稀に飛来します。

 欧米では、1950~60年代にDDTなどの有機塩素系農薬の使用の影響で、繁殖がうまくゆかなくなり絶滅に瀕した時期もありましたが、これらの農薬が使用禁止となってからは数が回復した経緯があります。

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