• 十代の地図帳
  • 青春の記憶に生きるヒントを訊くインタビュー記事

半崎 美子さん(シンガーソングライター)

転機はどのように

 偶然入ったレストランで聞こえたピアニストの方の演奏がすごく奇麗で。気付いたら「私の伴奏をしてください」と声をかけていた……。それからですね。ライブハウスにデモテープを持って行き、そこで歌うようになり、だんだんと「お客さん」と呼べる人が増えていって――。そのあとに今度はショッピングモールで歌い始め、2013年ごろからはツアーのように全国を回りだした。このショッピングモールもデモテープと名刺を持参して一つひとつ開拓していきました。

若者にメッセージを

 先日『明日への序奏』という曲を発表したんです。この歌詩のなかには「助走」や「序章」も出てきます。私の17年も言うなれば助走かもしれない。「助走」と聞くと、さも飛び立つためのもの、高く飛ぶためのものと捉えがちですが、私はどちらかといえば無我夢中で助走をしていたら気がついたら飛んでいた……、という感じでした。そして、その助走をしているなかにはキラキラしたものがいっぱいあった。それは決して飛ぶことが目的ではなかったからです。助走の間にはもちろん、辛いこと苦しいことも沢山あるけれど、助走を続けることの素晴らしさ、好きなだけ助走を続けて良いんだよ――というのをこの曲を聞いて感じてもらえたら嬉しいですね。

はんざき よしこ 1980年、北海道生まれ。大学を中退し上京、音楽活動を始める。2007年、自主製作のファーストアルバムを発売。CDショップでのインストアライブやショッピングモールでのコンサートを続ける中、楽曲がテレビ・ラジオ等で取り上げられる機会が増え、〝ショッピングモールの歌姫″と注目を集める。17年、「NHK みんなのうた」で取り上げられた「お弁当箱のうた~あなたへのお手紙~」や、「サクラ~卒業できなかった君へ~」を含む1stミニアルバム『うた弁』にてメジャーデビューを果たす。同年12月、日本有線大賞・新人賞受賞。

(月刊MORGEN archives2018)

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