野鳥と私たちの暮らし 第15回 極楽に棲む鳥 サンコウチョウ

長い尾をもつ

 サンコウチョウ(三光鳥)という鳥をご存じでしょうか。雄は体長の3倍ほどもある長い尾を持っています(写真上:尾の長さとともに青い嘴と目の周りの明るい青のリングもこの鳥の特徴・写真2)。その長い尾をひらひらさせて林の中を優雅に飛ぶ姿は、はじめて見た欧米の研究者には、極楽や天国に棲む鳥と思えたのでしょうか?英名はJapanese paradise flycatcherと言います。ヒタキ科(カササギヒタキ亜科)の鳥で、flycatcherとは飛びながら虫を捕えるグループの鳥の総称です。嘴と目の周りの鮮やかな青いリングもこの鳥の特徴です。一方、雌の方は尾が短く、雄は体全体が黒いのに対し、雌は赤茶色をしています。

写真2 中央の2枚の尾羽が著しく長いサンコウチョウの雄

 和名の三光鳥は、この鳥の雄は繁殖期に「ツキヒホシ(月日星)ホイホイ」とさえずることから名づけられました。

古くから花鳥画の題材に

 日本には屋久島から本州にかけて分布しますが、本州のものは冬には中国南部からスマトラ島などに渡って越冬し、春に南からやってくる渡り鳥です。日本の他には、台湾とフイリッピンのミンダナオ島とバタン島のみで繁殖する分布が限られた鳥です。

 日本では古くから花鳥画の題材として描かれてきました。身近に見ることのできる美しい姿と声の鳥だったからなのでしょう。また、江戸時代には観賞用としても広く飼育されていたようです。

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