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  • 過去に読書と教育の新聞「モルゲン」に掲載された記事からランダムでpickupし紹介。

野鳥と私たちの暮らし 第26回 ライチョウ(2)日本のライチョウの現状と課題

50歳を過ぎてライチョウ調査を再開

 前回にもふれたように、長年にわたりライチョウを研究された恩師の羽田健三先生が信州大学を退官された後、私は長い間ライチョウの研究から遠ざかっていました。私自身の研究であるカッコウの托卵研究に長い間関わっていたからです。それが、50歳を過ぎてからライチョウの研究を再開することになりました。

 再開することになったのには、いくつかの理由がありました。カッコウの研究が一段落したこと、外国のライチョウを見て、人を恐れないのは日本のライチョウのみあることに気づき、その理由には日本文化が深く関わっているという重要な点に気づいたこと、さらにはその頃には羽田先生が亡くなられていたことなどです。その後、日本のライチョウはどうなっているのだろうか?

 研究を再開して見えてきたことは、かつて羽田先生と一緒にライチョウを調査していた頃には考えてもみなかった様々な課題を日本のライチョウが抱えていることでした。

(写真上 孵化直後に雛を連れた雌親)

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