野鳥と私たちの暮らし 第16回 小さな猛禽 モズ

タカの嘴をした肉食の鳥

 モズ(百舌)は、体長20㎝程のスズメよりやや大きいスズメ目モズ科の鳥です。体全体が褐色で、丸い大きな頭をしています。際立った特徴は、嘴の先がタカのようにカギ状に曲がっている点です(写真上:モズの雄・写真2)。高い場所にとまり、地上の獲物を狙い、この嘴でバッタなどの昆虫、カエルなどの両生類、トカゲなどの爬虫類、さらにネズミなどの小哺乳類を捕える肉食の鳥です。ですので、別名モズタカとも呼ばれています。

写真2 モズの雌

 モズは、日本全国の平地から低山帯に生息しています。開けた環境を好み、河川敷の他、農耕地、集落といった人里から高原の開けた環境に広く見られる身近な鳥です。冬には北海道や東北など北に生息するものは南の温かい地域に、山地のものは山麓に移動します。

鳴き真似

 早い個体は3月から繁殖を開始し、遅い個体では8月まで繁殖が見られます。巣は藪の中や樹上に造られます。巣は雌雄で造り、4~6個の卵を産みます。雌のみが抱卵し、雄は抱卵中の雌に餌を運んできます。卵は14日~16日で孵化し、雛には雌雄で餌を運び、雛は2週間ほどで巣立ちます。

 繁殖中のモズの特徴の一つに鳴き真似があります。ホオジロ、メジロなど他の鳥の鳴き声を真似、繁殖期には複雑にさえずります。そのために、モズは百舌と書き、百舌鳥とも呼ばれます。
なぜ、モズはさえずりの中にほかの鳥の鳴き声を取り入れるのでしょうか。その理由はよくわかりませんが、モズの雌は多くの鳴き真似ができる雄を好むといわれていますので、雌による雄の選択基準の一つが、鳴き真似がうまいかどうかであったためと考えられます。

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