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  • 過去に読書と教育の新聞「モルゲン」に掲載された記事からランダムでpickupし紹介。

野鳥と私たちの暮らし 第32回 浮巣を造る鳥 カイツブリ

カモの子供に見える小さな水鳥

 日本では、本州中部以南に留鳥として周年生息していますが、北海道や東北のものは冬には南に移動し、春に戻ってくる夏鳥です。日本の他、フイリッピン、ニューギニアなどの東南アジアの島々からユーラシア大陸の中南部、アフリカにかけての旧大陸に広く分布する鳥です。

止水域に棲み、水に潜って生活

 カイツブリは湖や池といった止水域の他、河川の流れの緩やかな水域に棲む鳥です。水に潜って生活するので、尾は退化し、脚は体の真ん中より後ろについていて、ヒレのついた足指で水の中を泳ぐのに適しています。水に浮いていたかと思うと、水に潜り、しばらくすると水から出てきます。潜っている時間は15秒ほどで、潜ってはまた出てくることを繰り返します。

 潜る深さは浅く、魚を主食とする潜水性のカモのように深くは潜りません。大きな池や湖では、湖岸の浅い場所で生活し、潜って小魚、エビ類、ザリガニ、水生昆虫などを食べます。潜って泳ぐことが得意な鳥ですが、地上を歩くことははとんどなく、地上ではぎこちない歩きになります。水に浮いていることが多く、飛ぶことは少ないのですが、飛ぶときは水面をけって低く飛びます。

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