• 十代の地図帳
  • 青春の記憶に生きるヒントを訊くインタビュー記事

川口 マーン恵美さん(作家)

『住んでみたドイツ 8勝2敗で日本の勝ち』『ドイツの脱原発がよくわかる本 日本が見習ってはいけない理由』『日本とドイツ 歴史の罪と罰 20世紀の戦争をどう克服すべきか』……、いずれも、ドイツと日本をつぶさに調べ、比較、展開したヒット作だ。川口マーン恵美さんは、長いドイツ暮らしを経験する作家である。青春の日、ピアノを志し渡った異国で、運命線は大きく揺れた。心の地図を訊ねた。

幼少期から音楽に親しまれたとか

 4歳のころからずっとピアノをやっていました。でも、それを将来に繋げようとはずっと思っていなくて……。べつに、音大に行こうという考えもなかった。ただ、いよいよ高校も卒業となり進路を見比べるとやっぱり音楽しかない。それで、急遽その道に進む事になったんです。

読書が好きだった

 本は好きでした。小学校、中学校、とすごく沢山の本を読みました。それこそジャンルを問わず……、濫読でしたね。

その当時、作家を目指したりは

 いわゆる「文学少女」のように、「自分で書く」ということは少なかったのでね。でもだからといって、「書くのが嫌い」というわけでもなくて。高校時代には、校内誌に物語のようなものを書いてみたりしていましたね。

淡い芽吹きは見えていたと

 今になってみると書くのは本当に好きですね。朝起きてデスクに座るのも全然苦じゃない。「あ、やんなきゃ」って思って自然に始めるんです。ピアノをしていた頃にはなかった、ふと時計を見るともう3時間も経っている、というようなこともあります。

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